グリーンマイル

グリーンマイル [DVD]

グリーンマイル [DVD]

休日はごろ寝してDVDというスタイルが確立されつつあるここ最近の日々。
この映画を見るのは3度目になるが、どこがいいのか未だにうまく説明できん。ただ、今まで面白かった映画がをいくつか挙げろといわれれば、やはりこの映画ははずせない。
はっきり言えるのは配役が素晴らしいということだ。トム・ハンクスはまあ良しとして、でかくてゴツくてしかし繊細なコーフィ役のダンカンとか、卑屈で人格破綻したパーシィ役の人(誰だか知らん)なんかは秀逸だ。こいつはパーシィを演じるために生まれてきたのかというくらいに小柄な体格から少し上目づかいの目つきから口元を歪めたしゃべり方からその他表情の一つ一つ、一挙手一投足までが憎たらしい。目の前にいたらボコボコに鉄拳を食らわせたいくらいだ。つまりそれほど見せられてしまってるってことだろう。脱帽である。どうでもいい話だが、同僚役のガタイのいいアイツは何度見てもテリーマンに見える。怒ってパーシィに詰め寄るシーンなんかは「テリーがいったぁ!」と実況したくなるほどである。
ジメジメした監獄を舞台に物語りは淡々と進んでいく。囚人とはいえ礼節を持って接する看守たちへの敬服。時に情を交わした囚人をも自らの手で死刑を執行する彼らのやるせなさへの同情。時に人の死を侮辱するパーシィへの怒り。コーフィの起こす奇跡への驚きと喜び。そんな感情が少しずつ観客の中に降り積もり、映画を見終える頃いつの間にか何ともいえない気持ちでいっぱいになっている、そんな映画である。監獄の中でのクライマックスとラストのシーンは本当に切ない。見終わった後は体が重くなってしまう。目を背けたくなるようなシーンもいくつかあって、もうこの映画は見るまいと思うのだが、時が立てばまた見てしまうんだろうな。もう、どこがいいのかさっぱりわからん。人には勧めにくい映画である。