いわゆるA級戦犯/小林よしのり

いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL

いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL

東京裁判国際法の常識から見ても公正裁判ではない
A級戦犯という呼称はおかしい
・そもそもいわゆるA級戦犯と呼ばれる人たちはどのような人物だったか誰もわかっていない
・いわゆるA級戦犯達は時代の求めるままにそれぞれの役割を果たし、結果戦勝国の都合により断罪された人たちである

といった内容。

小林よしのりは怒っている。ゴーマニズム宣言からこっち、色んなものに本気で怒っている。それはもう凄まじい怒りっぷりで、その膨大なエネルギーがページをめくるごとに暴れまくっている。この本も表現形態はもちろん漫画だが、その情報量たるや凡百の流行本など一億冊集めても太刀打ちできないほどで、その本気っぷりがビンビンに伝わってくる。巻末には凄まじい数の参考文献が列記されていて、この本の論旨がいかに多くの情報に支えられているかが窺える。こんなにエネルギーを注ぎ込んでしまっては、小林よしのりも原稿仕上げたあとは2、3日寝込んでいるんじゃないかな。
本気で表現されているものは漫画であれ映画であれ歌であれブログであれ、受け取る側もものすごいエネルギーがいる。正直この本は読んでてすごい疲れた。通勤の電車で読んでたのだが、これを読んで出社するとすでにもう疲れていて仕事をするのがダルくなってしまうのである。まあそれは俺がダメ人間なだけの話なのだがな、すいません。
ともあれこの本も書かれていることが膨大すぎて、発信されている情報を的確に受け取るには何度か読み込まなくてはならないだろうが、とにかく最近の靖国問題など一つとっても今この日本に生きている俺らは勉強しなければならないことが多いなあ、と、そんなことを思う。
こういう本を読むにつけ、今の議論がもどかしくて仕方なく、中韓の干渉を甘受しつつある論調があることもやるせなくてしょうがなくなる。チクショウ、悔しいなあ。