射都英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)

射雕英雄伝 〈1〉砂漠の覇者ジンギスカーン

射雕英雄伝 〈1〉砂漠の覇者ジンギスカーン

ブログ休眠中に読みふけっていた金庸作品をいくつか。

本作は金庸出世作となった作品で、この後の神雕侠侶(しんちょうきょうりょ)、倚天屠龍記(いてんとりゅうき)へと続く3部作の最初の物語。中国は金の時代の末期、蒙古が台頭しようとする時代を背景に愚鈍だがまじめで素朴な主人公郭靖(かくせい)が運命に翻弄されながら強く成長していく。

風呂敷の広げっぷりはさすがに金庸作品で、これまた一度読み出すととまらない。いろんな達人と出会っていろんな武術の奥義を教わり、とんでもない達人になってしまう郭靖の成長っぷりがデタラメで最高にご機嫌である。ただラストが尻切れトンボのようだった気がしないでもない。あと、作品の面白さに反比例するような表紙のセンスがなんとも言えない。徳間書店は売る気が無かったのだろうか。

☆4つ