神雕剣侠(しんちょうけんきょう)

神鵰剣侠 第1巻 忘れがたみ

神鵰剣侠 第1巻 忘れがたみ

てなわけで射雕英雄伝から続く3部作の2作目。原題は神雕侠侶で日本で出版されるにあたり神雕剣侠となった。

前作から十数年後、時の政権は金からモンゴルに移ろうとしていた中国を舞台に、郭家と因縁の深い主人公楊過(ようか)とその師匠小龍女の愛と成長を軸とした物語。

純愛ものとして評価されている向きもあるが立派に武侠小説で、バッタバッタと人が死ぬ。既に生ける伝説と言えるほど偉くなってしまった郭靖や黄蓉(こうよう)の相変わらずの活躍や、黄薬師、洪七公、欧陽蜂といったこれまた前作の超絶達人達の暴れっぷりなど、これでもかといわんばかりのサービスが目白押し。本作のみでも勿論楽しめるが、前作から読んでいると面白さが300倍に。読後感は3部作の中では間違いなく抜群である。ただ最初と3巻あたりはつまらない。

以下、興奮しすぎて失禁しそうになったシーン

・洪七公と欧陽峰の決着
・郭靖が絶技を駆使して襄陽を死守する
・達人達が一同に会してモンゴルと戦する

主人公楊過のひねくれながらも本質が曲がっていない人間性も大いに共感できるところである。

☆5つ