白夜行

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)


仄かに明るく、しかし決して日の当たることの無い白夜のような人生を行く亮司と雪穂の物語。

なんとなく気になって読み始めたものの850ページという分厚さに憤死寸前。

物語は常に二人の周囲の人間からの目線で綴られ、そのために話の解釈も物別れしそうな遊びの部分が残されている。こんなストーリーテリングの手法を思いつき、なおかつ徹底して書ききってしまうところが東野圭吾のすごさなのかな。ドラマも全然見てなかったので、先入観無く楽しめた。

しかしながら個人的に筆者の技巧には感服するものの、ちょっと不満が無いわけでもない。雪穂は自分の人生をどのようにしたかったのか?これは間違いなく物語の核心の一つなのだが、ここも解釈の分かれてしまうところである。個人的にはここは筆者にビシッと書ききって欲しかったのだ。

☆4つ